「アミノ酸」って体にどういいの?
アミノ酸は、タンパク質の構成成分です。タンパク質は、体の中で最も重要な物質の一つであり、筋肉、骨、皮膚、血液、臓器などの組織を構成しています。また、酵素、ホルモンなどの生理活性物質の材料にもなります。
アミノ酸は、20種類あり、そのうち9種類は体内で合成することができません。これらの9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といいます。必須アミノ酸は、食事から摂取する必要があります。
アミノ酸は、体に様々な働きをしています。
- 筋肉の合成と成長
- 骨の形成
- 皮膚の健康
- 血液の凝固
- ホルモンの分泌
- 免疫力の向上
- 疲労の回復
- 老化の予防
アミノ酸は、健康を維持するために欠かせない栄養素です。
アミノ酸が不足すると身体への影響は?
アミノ酸が不足すると、様々な身体への影響が出る可能性があります。主な影響は以下の通りです。
- 筋肉量の減少
- 骨粗鬆症
- 皮膚の乾燥
- 免疫力の低下
- 疲労感
- 成長障害
- 妊娠・授乳時のトラブル
- 老化の促進
アミノ酸は、体の中で様々な働きをしています。そのため、アミノ酸が不足すると、これらの働きが低下し、健康に影響が出る可能性があります。
アミノ酸はどうやったら解消する?
アミノ酸の過剰摂取は、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。アミノ酸の過剰摂取は、以下の症状を引き起こす可能性があります。
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 頭痛
- 発熱
- 筋肉痛
- 肝機能異常
- 腎機能異常
- 過敏症
アミノ酸の過剰摂取を防ぐためには、食事からバランスよくアミノ酸を摂取することが大切です。特に、必須アミノ酸は、体内で合成することができませんので、食事から摂取する必要があります。必須アミノ酸は、肉、魚、卵、乳製品、豆類、緑黄色野菜など、様々な食品に含まれています。
また、サプリメントでアミノ酸を摂取する場合は、用法・用量を守って摂取することが大切です。
「アミノ酸」とは何か? ~たんぱく質とアミノ酸
アミノ酸の☆生理的作用と★欠乏で起こる症状
●青い色が作用 ●赤色が欠乏で起こる症状
●イソロイシン
☆ 成長と知能の発達に必要。コレステロールを下げる。血圧降下を助ける。
★ 知能の発達が遅れる。
●ロイシン
☆ 出産後の子宮の収縮を早める。脳の機能賦活。肝臓の働きを助ける。
●リジン
☆ 体の構成要素の大部分。体力・持久力をつける。抗体・ホルモン・酵素を作る。
★ 視覚障害。筋肉の継続的痙攣を伴う疲労。成長が遅れる。集中力低下。
●メチオニン
☆ 毒性のある老廃物を除き肝機能を守る。肝腎臓の細胞の再生。毛髪の生成。
リウマチの治療。コリンの原料になる。
●フェニルアラニン
☆ 血圧正常化。胃液の分泌促進。甲状腺ホルモンを促す。精神安定化の助長。血管の保護。
●トレオニン
☆ 新陳代謝や同化作用の進行。消化管の円滑な機能促進。脂肪肝を防ぐ。養毛作用。
●トリプトファン
☆ ビタミンB群の機能を助ける。濃い赤い血・若々しい皮膚・つややかな髪をつくる。
バセドウ氏病の治療。記憶力・集中力・判断力を高める。
●パリン
☆ 頭脳活動の活力になる。筋肉運動の整合。情緒安定。知的能力を高める。
★ 精神不安定となる。
●ヒスチジン
☆ 脳と神経を刺激し養う。成長に必要。聴覚の神経伝達を強める。難聴・アレルギー症に効果。
アミノ酸・たんぱく質が生命活動に必要なワケ
アミノ酸が私たちの身体にどんな働きをしてくれるのか?を考える 上で、まずたんぱく質(Protein)というものについて知る必要があ ります。
たんぱく質とは体を構成する細胞の細胞質の主成分であり、人体に おいては水分を除いた部分の約 50%を占めています。
少し難しい表 現ですが、たんぱく質とは遺伝子の情報に基づき、アミノ酸が特定 の配列順序でペプチド結合した高分子化合物という事になります。
さらに掘り下げていくと、たんぱく質は筋肉や臓器、血液などの構成成分であり且つ、体内組織 の合成や分解を触媒する酵素の本体であり
代謝の調節機能を司る、病気に対する抵抗力に関わ る免疫反応の抗体などの成分にもなっています。
また、体液の浸透圧の調節、ph バランスの調節、 栄養素の運搬、エネルギー源にもなる(1 g あたり 4 kcal)実に幅広い働きをしています。
少し 難しいお話が続きましたので、次章ではもう少しわかり易く解説していきます。
◆アミノ酸と生命の深いかかわりとは? ◆
さて、たんぱく質の働きをわかり易く表現するならば次のように表現できます。
①くっつく・つ ながる・反応する ②化学反応をサポートする ③かたちをつくる ④はこぶ・動かす という 4 つの働きです。
では、そもそもたんぱく質とはどんなものでしょうか?
私達の身体のたんぱく質は 20 種類のアミノ酸が繋がって構成されています。
人間の場合、20種類のアミノ酸から約 10 万種類にも及ぶタンパク質が形成され、上記の様々な働きを担っています。
これだけでも、たんぱく質が如何に生命維持に大切かが理解して頂けると思います
◆アミノ酸はタンパク質のアルファベット◆
私達の基本的な身体のはたらきは、10 万種類ものたんぱく質の 働きで営まれています。
たんぱく質は 20 種類のアミノ酸がつな がって構成されています。
例えるなら、たんぱく質を単語、アミ ノ酸はアルファベットと考えれば理解しやすいかもしれません。
アルファベットの並び順によって文章に意味があるのと同様に、たんぱく質を構成するアミノ酸の配列順序によって、たんぱく質 は様々な機能を果たします。
この大切なアミノ酸の配列順序を決 めているのが遺伝子です。
遺伝子はたんぱく質のアミノ酸の順序を決める機能に加えて、特定のたんぱく質をいつ、どのような場所で、どのくらい作り出すか?を決める機能がついています。この部分は「遺伝子 の調節部分」というように表現されますが、この調節部分がなければ、身体の機能は正常に発揮されません。
言葉を話すときや文章を作るときに、単語や文章をでたらめに並べても意味がないのと同じで、体中のすべての細胞が10万種類のたんぱく質をでたらめに作り出していては、「生きている」とい う状況は作り出せません。
全ては遺伝子により正しく生成され、機能を果たすのです。
あるたんぱく質が適切なときに作られることこそ が、生命の本質ともいうべきことです。
そして重要 なことは、この遺伝子の調節部分の働きを担っているのも、基本的にはたんぱく質なのです。
言い換えれば「たんぱく質がたんぱく質の作られ方を調節している」ことになります。
これも、人がどうやって言葉を憶えるかということになぞらえると理解しやすいかもしれません。
生まれたばかりの子どもは言葉を話せません。
やがて言葉を覚え、使える単語が増え、複雑な会話や文 章を話せるようになるには、前に覚えた言葉なり文 章を使って次々に新しい言葉を理解し覚えるからです。
生物には30億年という長い長い進化の歴史があります。
この歴史は、数少ない種類のたんぱく質しか持っていなかった原始的な生命体が、それらを基に 次々と新しいたんぱく質のレパートリーを
増やしてきた歴史と理解することもできます。
つまりたんぱく質とは「単語」という素材自身、そ れらの素材を使いどんな文章を構成するか?という 点で必須の働きをもっているということであり
私達の生命の維持には不可欠なのものと言えます。
20 種類のアミノ酸がすべてのたんぱく質を構成する
人間には約 10 万種類ものたんぱく質が存在することは先ほど述べましたが、
ヒトとチンパンジーは同じようなたんぱく質構成で、たんぱく質を作る遺伝子の差は1%くらいといわれています。
たんぱく質を作らない領域がかなり違っていたり、それを作る量とかタイミング が違うなど思った以上に違っていること が最近の研究からわかっています。
たんぱく質は生命をつかさどる基本的なユニットですから、私たち人間はたんぱく質合成の素材と なる 20種類のアミノ酸を
何らかの方法で確保しない限り生きていけません。
このことを理解し ておくことはとても大切なことです。
本来ならば、これらのアミノ酸を個々の生物が 自分自身で合成できれば良いのですが、人間は それらは食事で補うほかありません。
ちなみに微生物や植物の多くは、炭水化物代謝の中間体とアンモニアからすべてのアミノ酸を合成していることが判っています。
◆「非必須アミノ酸」は本当に「非必須」なのか? ◆
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いは体内で生成できるか否かの違いとされています。
正確には どちらも生成することは可能ですが
必須アミノ酸はその生成過程が長く、作り出すのに非常にエ ネルギーがかかる為、食事などで摂取する外部依存になったのであろうと考えられています。
必須アミノ酸という言葉を与えた研究者は、人生最大の失敗だったと嘆いているそうですが、この 言葉は現在も誤解を与え続けています。
ヒトを含む高等動物を対象にした栄養学では、必須アミノ 酸という言葉がよく使われます。
20 種類のアミノ酸のうち、約半分の9種類がそう呼ばれます。
「必須」といったために残りの11種類は必然的に「非必須 non-essential」と呼ばれることになりましたが
もちろんそれらが生体に不必要であるという意味では決してありません。
必須アミノ酸というのは、それらのアミノ酸の炭素骨格 が動物自身では合成できず
したがって生きていくためには食物として外からとり入れなければならないアミノ 酸のことです。
つまりバランスの取れた食事を摂ること は健康に生きる為にとても大切な事なのです。